
「びすた~り」とは、ネパール語で「ゆっくり」という意味です。ネパールで世界最高峰のエベレストを目指す人々は「びすた~り、びすた~り」と言いながらゆっくり歩み続けます。もし、少しでも急いだりしたなら、高山病になってしまって登頂を断念しなければなりません。しかし、ゆっくりでも一歩一歩あゆみ続けることで、頂上まで到達することができるのです。この「ゆっくり」には素晴らしいエネルギーがあるのですが、今の社会ではこのゆっくりのエネルギーを忘れてしまい、いたずらに急ぐことに追われてしまっています。 ここ長町遊楽庵びすた~りでは、障害のある人たちが自分たちの自立を目指して働いています。彼等は急ぐことは苦手ですが、一歩一歩ゆっくり歩み、それぞれに自分の頂上を目指しています。 そんな彼等の持つゆっくりのエネルギーを信じ、そして応援していただきたい…。 さらに、ここにいらして下さるお客様には、お食事をしたり、お茶をのんだり、お酒を飲みながら、自分たちが忘れていた、ゆっくりのエネルギーを復活させていただけばうれしいです。
びすた~りは、120年前の古民家です。 長町には間口10m奥行き100mの商店が23軒並んでいました。その内の1軒が家主の田代さんの家で、其の昔は材木屋さんだったそうです。 平成12年の地震までご自宅として住んでいらしたのですが、そのままでは、解体するしかありませんでした。仙台市の副都心にこのような古民家が存在していることは大変貴重なことで、ぜひ残したいという熱い思いの方々の力が結集して、 長町遊楽庵 びすた~りが誕生しました。
◆ これからもこの古民家が、120年後も存在しますようにと願いを込めて 漆喰をスタッフで塗り直しました。
びすた~りでは、名取にある「びすた~りファーム」で野菜を作っています。地域の方々のご協力もいただきながら、生産者の顔が見える、安心な食材でお料理を提供できるよう心がけています。 アレルギーや粉食の方もご相談ください 。
◆ スタッフたちが汗をかきながら、大切に丁寧に野菜を作っています。
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2009年1月、びすた~りにとても素敵なピアノが入りました。このピアノは、ベーゼンドルファーModel225 セミコンサートモデルで、在仙の詩人大越桂さんの成人をお祝いし、ピアノ所有者でテノール歌手の松尾英章さんにより「桂ピアノ」と命名されました。
桂さんからは、松尾さんへ下記の詩が贈られました。
ピアノ所有者の「より多くの方に桂ピアノを弾いていただきたい」という思いから、ピアノ使用料はいただいておりません。このピアノの使用をご希望の方は、びすた~りまでお問い合わせ下さい。
◆ 桂さんから松尾さんへ贈られた詩
音の星座
夜のレストランにたたずむ私
私はピアノ
今日からここが私の場所
ふと上に初めて見たのはまたたくもの
小さなしかくい天の窓
空をこっそり額に入れ
星の夜遊び覗かせた
昼のざわめき食器の踊り
料理の会話を空気に沈め
静まりかえって今日が終わる
丁寧に華やかに
悲しくおどけたピアニスト
いろんな指とおしゃべりしたら
その日の音をひとつだけ
その日の星につくりかえ
天の窓から送りましょう
一日ひとつ
毎日ひとつ
私の音がひとつずつ
空で星座を作るころ
私はすっかりこの場所で
私はすっきりこの場所と
仲良くなっているでしょう
そして小さな天の窓から
音の星座のコンサート
みんなと並んで見るでしょう
( 松尾さんへ贈る 2009.1.23 )
◆ <大越 桂さんプロフィール>
1989年 仙台市生まれ。819グラムの未熟児で産声をあげ、重度脳性まひ、未熟児網膜症による弱視など重度重複障害児として幼少を過ごした。
9歳頃より障害のストレスから周期性嘔吐症を併発、障害の重度化により24時間医療管理が必要になる。
2002年 13歳のときに気管切開により声を失ったことをきっかけに、筆談を覚え「言葉のコミュニケーション」を始めた。
2004年12月からブログ「積乱雲」を開設。
2007年3月宮城県立名取養護学校高等部を卒業。
同年、「第4回One by Oneアワード/キッズ個人賞」
(日本アムウェイ主催)を受賞。
現在は「あとりえ・ローリエ」主宰として詩、書の発表、
コンサート企画などを続ける。
ブログ「積乱雲」 http://plaza.rakuten.co.jp/678901/
著書「きもちのこえ~19歳・言葉・私~」毎日新聞社(2008)
現在、「みやぎ表現者Net.杜の星座」メンバー。
